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Q ゆとりの教育はやり過ぎではないでしょうか。なぜこんなことになったのでしょう。

A よくお伺いするご意見です。ゆとり教育に限らず,文部科学省のやることはいつも極端です。なぜかというと,問題が発生しないと次の改定ができないからです。問題解決という大義名分で,あえて極端な政策を行い,次の改定につなげていくというのは,お役所の保身の基本です。

 現に,学力低下という問題が生じてきておりますので,そのための対策と称して,また極端な政策が行われることでしょう。

 民間のような,需要がなくなったら撤退する,という発想は,お役所にはありません。予算を獲得するにはあえて問題を作り出し,需要のないところに需要をでっちあげるしかないのです。これをマッチポンプといいます。

 結局,他力本願はよくないのです。制度として確立し硬直化してしまった学校は,腐敗することはあっても,これ以上改善する見みはありません。そのあたりを賢く見抜いてこその,知育です。

Q 私立一貫校に高校から入学すると不利になると聞いたのですが。

A 「不利」の内容について,一般には,二点指摘されています。

 一つは公立中学で緩慢な教育を受けたため,高校から一貫校に入ってもついていけないこと。もう一つは,高校から割り込んでも人間関係の上で環境に馴染めないこと,です。

 第一の点では,高校受験する人はほとんどが塾に行っていますので,学校の影響はないかと思います。単純に,賢い人が以前よりも公立高校に流れているので,私立一貫校にきた公立落ちの人が不利に見えているだけではないでしょうか。

 第二の点では,高校にもなって馴染めるとか馴染めないとか,そんなこと気にするほうがおかしいのです。友達が欲しければ積極的に関わっていけばいいし,そうでないなら孤立していればいいのです。どうでもいいことを気にするから不利だと思いこんでしまうのです。

Q 不景気でもあり,高校に行かず高認で難関大学を目指すという方向はありなのでしょうか。

A もちろんありです。高校でかかる費用は,こちらのページにあります。この程度の節約にはなるということです。

 さて,この種の平均的なデータには,私立の寄付金が入っていないことがあるほか,学外での学習費用が非常に少なく出ています。一般の高校生は,学校の外では勉強らしきことをほとんどしないからです。難関大学を目指すために本格的に塾に通ったりしますと,塾や参考書の費用がもっとかかります。

 だからこそ,難関大受験を目指すという前提で考えれば,高認によって費用を節減することがさらに重要になってくるのです。

 高認なら,それに加え,大幅な勉強時間が手に入ります。そもそも,大学全入時代といわれる現在,高校に行くことにそれほど意味があるのかどうか,考え直してもいいのではないでしょうか。

 たしかに,高認は高卒と同等に扱われるとはいえ,高卒そのものズバリではありません。しかし,大卒の学歴が手にはいるのであれば高卒の学歴は重要ではなくなります。また,高卒と比べて,若干の差別が予想されるにしても,

1 行き先が一流大学であればまず問題にはならない

 でしょうし,

2 大学受験でランクアップが狙える

 ことを考えれば,明らかに「買い」です。

 逆に,高認の合格すら危うい人は,高校を卒業したほうが楽でしょうが,そういう人は難関大学とは縁がないでしょう。

 従いまして,一定以上の大学が視野に入っていて,心理的抵抗さえなければ,高認もありです。

 高認というと,やむを得ない理由で高校に行けなくなった人のため,というイメージがありますが,難関大学を目指す一つの手段として,このように積極的なとらえ方をしてもいいのではないでしょうか。

Q 東大生の家庭教師を探すには? また,その質は?

A インターネット上に大量に出ています。ただし,受験指導には相当の経験も必要なので,学部生(1~4年)よりも大学院生の方がよいと思われます。院生を探すには直接東大の学生掛に行かれた方がよいでしょう。安田講堂の裏側にあります。その辺にいる学生に「アルバイトの紹介をしているところ」と尋ねればすぐにわかります。ここで所定の用紙に記入すれば一定期間求人の掲示が出されます。金額は他の人の掲示を参考にすればよいでしょう。条件はかなり自由に指定できます。「大学院生限定」と書くことをお忘れなく。

 掲示が出されると,季節にもよりますが,多くの学生から電話がかかってきます。何人か面接をして,いい人がいれば採用するようにすればよいでしょう。何十人も不採用にするツワモノもいらっしゃるようです。

 受験指導には経験と才能が必要です。自分で合格することと,他人を合格させることは全く別です。したがって,出身高校などはほとんど関係ありません。よく「開成出身限定」などと書いている人もいますが,これでは人材を逃してしまいます。それよりは「過去に○○中学に合格させたことのある人」とでも書くほうがはるかによいでしょう。

 そんなわけで,質については運任せの部分が残るでしょう。なお,当学院では厳選された人材を家庭教師としてご紹介し,大変好評を頂いておりますが,このコーナーの冒頭に書きましたように,現在大学受験指導に限定しております。また,優れた人材はそういるものではありませんので,お恥ずかしいことですが,当学院でも慢性的な人材不足です。自信を持って人に勧められるような先生を探すのは,とても難しいと考えた方がよいでしょう。

 また,東大の学生掛にあまり多くの方が求人を出されますと職員の方に過度の負担になるかもしれません。適宜ご配慮の上ご利用下さい。

Q 小学4年ですが,これから中学受験勉強を始めるにはどうしたらよいでしょうか?

A 選択肢は3つです。

(1)大手塾の教室を訪ねてみる

(2)近所の中小塾を訪ねてみる

(3)家庭教師

 このところ,大手塾の寡占状態ですが,中小の塾で家から通いやすいところがあればそのほうがいいでしょう。塾は,レベル別のクラスに分かれているのが普通なので,中位以下になるようでしたら,家庭教師などを考えてみるといいでしょう。

Q 塾の宿題が多すぎてとても終わりません。どうしたらいいでしょうか?

A 無茶を言うようですが,万難を排して終わらせることです。塾にもよりますが,難関中学に受かる子は,最終的には宿題をほとんど全てこなせるレベルに達しています。塾についていけないからといって別の問題集などをやらせるのは,かえって課題を増やして負担を与えることになりますので要注意です。

 そして,相当頑張ってみた上で,なおかつ宿題が全然終わらないようなら,基礎力の欠落が考えられます。おそらく今後偏差値的にも厳しい数字が出るでしょう。焦ると自爆します。無理して挽回しようとせずに,基本にじっくり取り組むのが得策です。この場合,上とは逆に,難問への未練を断ち切って,基本問題集に専念すべきです。絶対に二兎を追ってはいけません(このへんは大学受験とはだいぶ事情がちがいます)。その結果,志望校を変える必要が出るかも知れません。

 厳しいようですが,どのような原因にせよ,中学受験で遅れをとるということは志望校変更に直結することだという覚悟は必要です。

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