Q SFCはどうですか。
A 東大の教養学部についてもいえることですが,「広く浅く」型の学部の評価は今ひとつ芳しくありません。それは,現時点においては未だ専門分野からのつぎはぎにすぎない状況が続いており,卒業しても各専門学部を出た人に,「教養の深さ」の点で対抗できないからだと思われます。
得意分野を作っておくのは重要ですので,当学院では,法学・経済学・化学といった旧来の専門課程に行き,長年の学問の蓄積をじっくり学ぶことをお勧めしております。
たしかに流行の英会話やコンピュータ,何でもありの境界領域も魅力的です。しかし,複雑な問題を仮説と論理で追跡し解析するといった方法論や,問題意識の持ち方,専門的な研究手法など,知的素養を身につけることができる格好の場が大学です。流行に流されずに本格的な学問に浸かってみるのもよいのではないでしょうか。
というのが理想論なのですが,すこし現実的な話をします。
「パソコン専門学校」とも言われるSFCは,もっと就職の有利性をアピールしてもよいのではないかと思います。東大生でも,文系では表計算を使いこなせるような人は想像以上に少なく,OA化に伴って,就職も厳しくなりつつあります。
今やOA機器を素早く使いこなす適応力は,ビジネスにおいては,基本中の基本であり,これがないことにはせっかくの知的素養も創造力も,ほとんど発揮できなくなってしまいます。
それに一流大学といっても,現実には,多くの学生はこれまで通り,漫然と板書を写して試験の前の日だけ勉強し,レポートを写経するという気楽な生活を送っており,就職活動の頃にはほとんど掃除ぐらいしかできない状況になってしまいますから,情報教育の充実した環境はそれなりに価値があるのではないでしょうか。
Q 慶應の法学部と経済学部はどちらがよいでしょうか。また早大の政経と法では?
A 学びたい学問のほうに進学すべきはもちろんです。それでも迷う場合には将来性ということになります。しばらく前までは,慶應で法学部(法律学科)がけっこう人気でしたが,これはOBが司法試験の対策を支援するなどの努力の成果であるといわれています。慶應法学部の人気は司法試験合格者数が牽引している部分が大きいので,民間企業への就職を考える場合には,あまり参考になりません。
また,最近のロースクール化の流れの中で,法学部の人気が急落しています。
東大法学部の定員割れや,文1の易化は,記憶に新しいところです。
一般論ですが,経済学部はかつて慶應の看板であったため,OBのネットワークは強く,最終的に役員まで出世する可能性も高くなるといわれます。そこで,安易にも見えますが,次のような方針はどうでしょうか。
(1)民間企業でやっていく自信がない人,対人関係が苦手な人は法学部に避難して公務員に。
(2)決められた作業を長期間飽きずにやっていける能力のある人は法学部に行って資格系の職業へ。
(3)経営や企画,工夫を要する仕事に自信のある人は,法学部に行くとひたすら暗記で辛いかもしれないので,経済や政経へ。
早大の法学部は政経や慶應経済・法に比べて非常に入りやすいので,「とりあえず法学部に入ってカタチを整え,はやく資格試験の勉強に専念したい」と考える人にとっては,不謹慎ではありますが,「お買い得」な学科といえます。いずれにしても早大はOBの支援がほとんど見込めないことから,自力で勝負せざるをえません。
また,特に昨今,資格試験は失業対策として重視され,資格取得については公的な補助もなされています。この傾向の延長に,たとえばロースクールと法曹増産もあり,今後は一層避難場所が広がると思われますので,まずは民間でチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。
Q 早稲田の英語長文の対策を教えてください。
A 量をこなすことは基本中の基本です。ポイントは,良質な問題を手に入れることです。早大の英語長文問題の特徴は,
(1)長い割に設問が少ない
(2)内容についての設問が中心なので,対策が立てにくい
(3)実は少数の和訳・英訳問題で最も差がついているように見える
という点にあります。以下,簡単に対策を述べます。
(1)と(2)について。
どうせ長文問題をやるなら,早大型の設問がたくさんついていた方が効率がいいので,
手順1 同志社大学法学部の過去問
をお勧めしています。かなりの長文で,しかも早大と同じように和訳や英訳も付いているので,けっこう役に立ちます。単語や熟語についても密度濃く学べます。さらに,単純に長文に慣れる練習も必要と思われますが,これは
手順2 早大法・商・社学の過去問数年分
で十分です。最後に,内容理解を中心として私大長文問題の実力を試すためには,模擬試験代わりに
手順3 慶應総合政策の過去問
に当たってみるのもいいでしょう。内容的に無理がなく,良問だと思います。
(3)について。
一見平易な和訳でも,的確な日本語でないと点になりません。入試ではいったん書いた訳を繰り返し吟味する必要があります。特に文脈に注意しましょう。
'98早大商の和訳
(「アメリカの法律は薄情だ」という文脈の中で)
It is not too much to ask that we call the police.
「(負傷者のいる大きな交通事故に出くわしたときに,救急車や)警察を呼んであげるよう法的に要請したところで,おせっかいに過ぎるということはない」
この訳を,
「警察を呼ぶように求めることはあまりたいしたことではない」
「警察を呼んでくれと頼むのは,過大な要求ではない」
とするなど,文脈無視の訳が出回っています。
また,英作文は多くの場合,定型表現がありますので,自己流で書くよりも知っている表現を思い出すほうが大事です。
語彙については市販の単語集で十分です。それ以外の単語は文脈から類推しましょう。むしろ,たわいのない熟語で引っかかって失点する事が多いので,
旺文社 ”でる順”英熟語600
で穴を埋めておくとよいでしょう。易しい熟語集ですが,盲点を数多く発見できることでしょう。
Q 一橋の法・慶應の総政・慶應法と文三では?
A 就職なら迷わず文三を選びましょう。将来性が全然違います。同じ実力なら東大のほうが圧倒的に有利です。さぼらず普通に勤めていれば,余程の問題がない限り一部上場企業の役員や系列企業の社長にまで出世するはずです。一橋の法から公務員や民間にいくよりも,はるかに有利でしょう。SFCは別項参照。
なお,大企業でも倒産する時代だから東大の価値は…といった話もありますが,倒産しても関連会社などでちゃんと出世していくのが東大OBの実力です(もちろんだめな場合もありますが)。
Q 国立の医学部と理科二類では?
A 確かに医師の所得が激減しつつあり(場合によっては銀行員のほうが上),その仕事の危険性(感染症など)を考えると迷うかもしれません。今後理工系技術者への需要が高まるのも間違いありません。興味のある分野に進むのがよいのではないでしょうか。なお,最先端医療技術の研究や生化学の基礎研究は,医学部よりも理,工,薬,農のほうがはるかに進んでいることがあります。たとえば,近年発達の著しい医療機器の開発に興味がある場合には,精密機械工学の技術者のほうがやりがいがあるかもしれません。
Q 東大では文系でも数学がありますが,やはり得点する必要があるのでしょうか?
A 結論から申し上げますと,東大文系受験生の数学力は高く,これで落とすと他科目での挽回は難しいでしょう。これは数学以外の科目にも言えます。
東大の場合には受験生のレベルが高いので,苦手科目を補うために別の科目で他の受験生に差をつけるのは,極めて難しくなります。たとえば数学で1問落とすと20点の失点になりますが,では得意科目で他の受験生に20点もの差をつけることができるかというと,これはかなり難しいでしょう。他の受験生が解けない問題を確保するとなると,相当な難問で得点しなければならなくなるからです。
しかも,自分で特定の教科を得意科目だと思っていても,実際には東大合格者の平均程度に達するかどうか微妙なことが少なくありません。従って,東大を受験するからには苦手科目があってはなりません。しかも解ける問題はミスすることなく確実におさえる必要があります。結果として,どの科目も平均的に標準以上のレベルに達している人が合格しやすくなります。
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