Q 早慶に行きたいのですが,両親は国立大学(筑波か千葉大)にするよう言います。どうやって両親を説得したらよいでしょうか?
A この手の説得は,きわめて難しいです。旧世代の人は国立全盛期の時代に育ったために,なかなか説得のしようがないのです。かくいう私も受験時代,「私立大学は大学じゃない。腐っても国立だ」と親にいわれ,高校受験でも,「進学校といっても私立は所詮ニセモノ」というようなことで,結局私立高校は受験させてもらえませんでした。こういう状況は実はとても多いように思います。
さすがに大学受験で私立を受けさせてもらえないのはまずいと考え,早慶は受けるに値する大学であることをひたすら語り続けました。このように,ことあるごとに説得しても,2年ぐらいかかるかもしれません。根気よく説得してみてください。
なお,法学系なら司法試験の合格数,経済系なら有名企業の役員の出身校,といった具合に,いろいろデータを示してみるのもいいでしょう。
Q 高校が遠いので通学時間が長く,勉強時間がとれません。難関大学の受験は大丈夫でしょうか。また,効率のよい勉強方法はないでしょうか?
A たしかに通学時間が長いと,一般的に難関大学の受験には不利になるようです。恐ろしいのは,家でほとんど勉強しない状態が3年も続くと,受験勉強では取り返しがつかない状態に陥ってしまうことです。早急に勉強時間を確保しましょう。
いろいろな観察の結果では,通学時間が片道1.5時間以上あり,高校時代にほとんど中間・期末の勉強ぐらいしかやったことのない人は,1浪ぐらいでは挽回できない状態になってしまうのが普通です。余程の自覚が必要でしょう。
時間を確保するには,
(1) 急いで家に帰って勉強する
(2) 早慶の指定校推薦や自己推薦を利用する
(3) 思い切って高校の近くに引っ越す
くらいしか方法がありません。最近は安いアパートがかなり余っていることもあり,(3)が増えています。当学院の会員でも,例年通塾に便利な場所に引っ越される方がいらっしゃいます。
効率の良い方法としては,基本的には入試で出る問題ばかりを何度も反復練習して身につければいいのです。たとえば当学院の教程なら,1年分のものだけで東大・早慶入試問題のほとんどすべてを的中・類題でカバーし,なおかつ,3~5回は反復できるようになっています。ただし,これはカリキュラムを毎年全面改定するからこそ可能なのであり,市販の問題集や,毎年代わり映えのない既成の教材だけでここまでの効率を弾き出すことはまず不可能でしょう。
自分で対策を立てる場合には,まず志望大学の過去問を見てみましょう。わりとよく出る分野があるはずです。そこから取りかかり,次第に出題頻度の低い分野にも手を伸ばしていくのがいいでしょう。いずれにしても,入試問題から逆算した計画を立てることが重要です。
Q 高校から帰ると疲れ切ってしまい,さらに勉強する体力がありません。高校の授業だけでは受験は無理なのでしょうか?
A 残念ながら高校の授業だけで中堅以上の大学の入試問題に対処するのはまず不可能でしょう。たしかにどの大学でも,教科書の例題レベルの問題は出題されます。しかし,入試ではそういう問題は多くの受験生が正解しており,結局合否は少数の「やや難しい差の付く問題」を解けるかどうかにかかっています。そこで,入試対策としては,このような差の付く問題を集中的に攻略する必要があります。従って,高校の授業内容は当然消化するとしても,やはり家に帰ってからの受験勉強が重要です。
高校から帰った後にどれだけ頑張れるが合否を決します。もっといえば,勝負は夕方5時から夜12時の間に着くのです。家についたら,「今からが戦いなんだ」と自分に言い聞かせて勉強しましょう。
ちなみに,このへんの事情は将来就職した後も変わりません。最近は時短も奨励されていますが,現実問題として,残業や接待のない会社はほとんど存在しません。しかもそれらは切実な必要に迫られて行われていますので,正規の仕事時間以上に人事考課に響くことが少なくありません。栄養ドリンクのCMではありませんが,サラリーマンの世界も,やはり5時からが勝負なのです。
Q 将来自分も就職すると思うのですが,どうして企業は学歴(大学名)にこだわるのでしょうか。掲示板とか見ていると,大学名でほとんどすべて決まってしまうようなことが書いてあったりしますが,実際はどうなのでしょうか?
A 学閥というのは確かにあります。ただ,これは政治的圧力団体が政党を作ったり,あるいは親戚一同で閉鎖的に企業を経営したりするのと同様,避けられない現象です。これは一見,「個人的能力で勝負したい」と考える人にとって,足枷になるように見えます。
ところが,同じ学閥の内部では,やはり常に個人間の競争が展開されています。個人の能力が無効になるわけではありません。そこで,「学閥や一定の閉鎖集団は,個人の能力を発揮する空間として利用すべきもの」と考えてみてはいかがでしょうか。
さて,ご質問の内容には,もう一つの論点があります。大学名の見劣りを,その後の努力で挽回できるのかどうかという点です。これを考えるには,企業の採用の動機を考える必要があります。
企業が大学名を重視しているように見えるとき,実はこれは宣伝効果を狙っているのです。現在の日本では,一定規模以上の大企業であれば,経営状態だけでなく,有名大学から何人採用したかが「一流度」のバロメーターになります。大学生に配られる会社案内では「採用実績大学」の欄がありますが,これが大学生の企業評価に少なからぬ影響を与えます。従って,企業が有名大学卒を採用するとき,必ずしも能力を買っているというわけではありません。彼らに払う給料は広告費に近い性質のものでしょう。そのような宣伝効果においては,大学名の見劣りを挽回することは不可能です。
しかし,もう一つの尺度,つまり実務の視点から見れば,当然実力での挽回は可能になります。大企業とて宣伝効果だけで生きていくわけにはいきません。有名大学ばかりの「一流企業」が実は烏合の衆で大型倒産する,なんてこともありうるわけです。実力ある人材を採用せざるをえない以上,大学入学後に蓄えた実力は十分機能します。
大学名と実力の関係は,宣伝部門と製造部門の関係にたとえられます。全く性質の異なるもので,どちらも企業にとっては重要な戦力になるということです。
Q バイオ関連の企業に就職したいのですが,この分野の将来性はどうでしょうか。また,どの学科に進学するのがよいでしょうか?
A 興味があるなら,将来性など考えずに突進すれば,必ず何らかの成果は得られるでしょう。と,それだけでは回答になっていないと言われてしまいそうなので,いちおう書いてみます。
企業においては,近年のバイオ関連研究所・工場の閉鎖は目を覆うばかりのものがあります。切り捨てられたバイオ部門からは大量に人材が流出して余っていると言われます。この分野では,研究の労力の大部分は地道な分析操作と人海戦術的な試行です。なかなか新商品に結びつかないので,不況になると企業はいきおい,既製品のマイナーチェンジに走ります。
既製品とは,医薬品以外には,石鹸,洗剤,漂白剤,塗料,調味料,油脂,香料,飼料,ビールなどです。これからバイオ関連に進む人は,遺伝子よりもこれらの生活色豊かな商品を対象にすることになると思います。バイオらしい分野としては,農畜産物の品種改良がありますが,実際にバイオ系学科の卒業生の大部分は国内または外資系の大手メーカーに就職するでしょうから,やはり量販系の生活用品を扱うケースが圧倒的に多いでしょう。
ところで特に脚光を浴びているのが,高付加価値製品たる医薬品です。この分野に参入しようとする企業は多く,煙草メーカーや菓子製造業者などが名のりを上げています。
医薬品の研究では,まず何より有機合成化学の知識が必要になります。そして生化学や分析化学,薬剤の知識が続きます。ゆえに,いわゆる遺伝子操作をともなった「バイオテクノロジー」よりも,化学の基礎をしっかり学ぶのがいいでしょう。もともと化学は基礎学問でありながら,応用にダイレクトに結びつく分野です。そこで,流行のバイオ系学科にこだわらずに,素朴に昔ながらの化学・薬学系学科に進んでも全く差し支えありません。
なお,製薬会社では,研究が高度なこともあり,これを主導するのは東大などの大学院出身者が多くなります。通常の大学のバイオ系・薬学系出身者は,むしろ営業に回される傾向があると聞いています。
このほかに将来性のありそうな分野としては,生態関連素材があります。人工臓器や医療器具など,生体適合性素材の開発です。ここでは有機化学の他に,特に高分子化学が重要になります。
企業への就職ということでしたので,基礎研究については別の機会に譲りたいと思います。
Q 東大型模試で名前が出るほどなのに,不合格になってしまいました。入試ではかなり自信をもって書いてきたつもりなのですが。なぜでしょうか?
A 例年繰り返される悲劇です。開成あたりの浪人生からは最も多く聞かれる質問です。おそらく勉強の過程で「正しい情報」が欠落していたものと思われます。もう一つ,特に数学では基本技術に十分習熟しないうちに総合問題を解くと,思わぬミスを連発して壁に当たるものです。基本問題の演習量を確保するとよいでしょう。また,解答を見てすぐに納得してしまい,復習を怠る習慣があると,知識は増えても「得点力」は伸びません。
いずれにしても,まずは今年の入試問題のどれが解けなかったのか,根気よく特定してみてください。そして抜けている項目がわかったら類題を探して当たることです。
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