Q センター直前期の対策について教えてください
A センター試験は学力よりも「形式への慣れ」が大きく効いてきます。その意味で,過去問を制限時間付きで解いてみる練習は欠かせません。苦手だと自分で思う科目を最低3科目,過去3年分を解いておきましょう。
慣れによって大きく得点を伸ばせる科目の筆頭は国語,次が英語です。一方,例年平均点の低い理系の人の日本史や文系の人の生物は,「直前期に伸ばしにくい科目」といえます。
公民は本番で現代社会に切り替えたほうが有利になる可能性が高いので,問題を見て決めましょう。このとき,「せっかく政経をやったから」などとこだわるのは自殺行為になりかねません。地歴は暗記事項が多いので,理系の人は志望校の指定科目をチェックして,可能な限り負担の少ない公民で勝負するようにしましょう。
いずれにしても,これまでの勉強量が足りないと思う人は,できる限り有利な科目選択をする必要があります。
Q センターの国語(現代文)が全然とれないのですがどうしたらよいでしょうか?
A 国語が苦手な人の大部分は「抜き出しができない」段階でストップしています。傍線部に「AはBである」とあり,「これはどういうことか」と聞く設問があったとします。その10行ほど後に「AはCである」という決定的な記述があったとしても,これに気付かない人が多いのです。そんなバカな,と思うかもしれませんが,東大受験生ならともかく,一橋受験生のレベルになると既にかなりこういう学力水準の人がいます。
文章の各部分に対する注意力が足りない人は国語で苦戦するでしょう。そういう人は,とりあえず応急処置として,傍線部と類似した表現に片っ端から印を付けることです。それだけで自動的に一定の得点が転がり込んでくることでしょう。複雑な技術は必要ありません。
Q センターの足切りライン予想値が予備校により異なりますが,どうしてですか?
A 予備校の担当者が安全志向なら高く,そうでなければ低く出るのが普通です。ただし,予備校の事情以前に,受験生側の自己採点は恐ろしくいい加減なものです。失敗しても,「こんなはずじゃない」と思う一心から,高い点を出して送ってしまう人がとても多いのです。1科目あたり20点近くサバを読んで(ということは全科目で100点近く)出してしまう人もいます。これでは正確な判定ができようはずもありません。
受験生がよくやってしまうのは,完答を分割算入する,単純ミスの問題を合ってたことにしてしまう,記憶が曖昧なものはすべて正解にしてしまう,などです。このため,自己採点結果は実際の得点よりかなり高いものになってしまいます。予備校の担当者はこうした事情も考慮して足切り予想値を出すのですから大変です。
ちなみに,予備校の自己採点集計データでは,毎年センターが極端に低くて合格している人がけっこういますが,これも,自己採点の信憑性からみて,鵜呑みにしない方がいいでしょう。
Q 高校で中位以下なのですが,過去にはこの成績で東大に受かっている人もいるそうです。出願しても大丈夫でしょうか?
A これは,実はとても多く聞かれる質問です。大丈夫なはずがありません。ただ,このケースでは,大丈夫かどうかという以前に,出願したいという希望が先に立っているのではないでしょうか。同様の質問を段階的に並べてみましょう。
(1) C判定でも出願して大丈夫でしょうか?
(2) E判定でも出願して大丈夫でしょうか?
(3) 10人に一人ぐらいは受かっている成績なのですが,出願して大丈夫でしょうか?
(4) 20人に一人ぐらいは受かっている成績なのですが,出願して大丈夫でしょうか?
(5) 過去10年間に2名ほどこの成績でも受かっているそうなんですが,出願して大丈夫でしょうか?
このような質問を(当学院の会員以外から)受けたケースでは,こちらの回答に関わらず,ほとんど全員が東大に出願しています。つまり,東大を受けたいと思う人は,成績に関わらず出してしまい,また毎年受ける人もいます。世の中には,一日平均5分も勉強していないのに,「東大しか受けない」という受験生も数多くいます。
とりあえず受験の常道として,確実に受かりそうなところを確保しておくべきです。万一浪人するにしても,どこも受からないままの浪人では,心理的にかなり不安になるものです。
Q センターの結果,第1志望は無理のようです。次善の策として,出願先を結局のところどういう基準で決めればよいでしょうか?
A リサーチの結果を待って決めましょう。受験の緊迫感が高まるこの時期には,「いい先生がいる」「興味のある分野」「特色あるカリキュラム」などという「タテマエ」論は完全に吹っ飛んで,文系なら「将来銀行に就職できる」「公務員試験に受かりやすい」,理系なら「就職がいい」という「ホンネ」が先行するものです。なぜなら「第1志望」という「理想」が吹っ飛んだことで,「露骨なまでの現実」が見えてくるからです。
ならば思いっきりホンネで行きましょう。
(1) ズバリ,「大学名」で選ぶ
有名大学の易しい学部を選んで受験。このとき,文系なら法学系,理系なら理学系といった既成観念は捨てる。公務員になるのなら,それこそ東大法学部でもないかぎり「学部」にこだわる意味は全くない。また,理学部は偏差値ばかり高くて就職は工学部より圧倒的に不利。司法試験はいまや予備校まかせなので,単位取得の負担が重い法学部などはかえって不利とさえいえる。
(2) 医科大に切り換える
もちろん,文系・理系を問わない。文系の人でもセンターの理科で化学か生物をとった人なら受かってしまうような医大はたくさんある。医学部のカリキュラムは文系なみに暗記が重要なので,文系だからといって引け目を感じる必要はない。
こんな「暴論」でも選択肢の一つに見えてくるのは,受験が「競争」だからです。興味のない分野に進んで4年間辛い思いをするのも……という考えもありますが,さらにその後,長い間にわたって「やりたい仕事」ができることのほうが重要ではないでしょうか。
そして,実力が同じなら,大学の「ネームバリュー」はないよりもあった方がいいのです。仕事,つまり就職の選択肢を拡大させる方向で考えるのも一つの方針ではあります。
Q 一橋を志望していましたが,センターで大失敗。足切はクリアしても,2次で点がとれるか不安です。志望校を変えるべきでしょうか?
A とにかく国語です。これを「確実にとれる」と思うようでなければ文系の難関大は厳しいでしょう。センターの成績のうち,国語の点数を見てください。
まず,一般論としてデータ的な話をします。
当学院のデータでは,文系についていえば,講座「東大現代文論述」の内部成績とセンターの合計点に強い相関が見られます。予習不備など現代文をナメてかかったりしている形跡がある人は,センターで800点中500点台という苦戦を強いられることもままあります。現代文を軽視するということは,意識として「暗記偏重」なわけです。
センターの国語でも,はじめに選択肢を見ずに,自分で解答を執筆するつもりで解き,あとから選択肢を見るようにしないと,間違った選択肢に流されてしまいます。その意味で,センターの国語は「論述試験」だとさえいえるのです。ゆえに,「選択肢を検討する」という解き方は根本的に間違っています。
さて,一橋についてです。
英語は文章の抽象度が高く,また和訳と「どういうことか」式の説明問題が差の付くポイントなので,「抽象的内容の理解」と「日本語論述力」が重要になります。あれは,はっきり言って国語の試験です。
地歴も本格的な論述です。知識量もさることながら,出題の意図に沿うような「論文」の形式に解答をまとめなければなりません。下手に細かい知識に流されると,趣旨をハズした答案を書く危険性も高くなります。あれも,国語の試験です。
以上から,一橋(や東大)を受けるに当たっては,
(1) センターの国語でかなりの点を取っており,しかも
(2) 論述問題については,どんな角度から何を聞かれても,質問の趣旨をできるだけ汲んで期待に応える文章を書ける,という手応えをつかめている
必要があります。暗記よりこういう力のほうが重要なのです。この点自信のない場合には,用語記述や穴埋めの多い大学に変えるのも手かもしれません。
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