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Q 就職活動では,大学名により門前払いになることもあるのでしょうか?

A 受験に関するご質問が一段落したせいでしょうか,大学生の方からのご質問が多いのですが……。

 応募する企業に聞いてください!としか申し上げようがありませんが,実力に自信があるなら,会社の雰囲気を見た上で,次のようなアピールでもされてはいかがでしょうか。ただし,保守的なところには向きません。これらはいずれも実績のある方法ですが,ここに書いてしまった以上,みんながやると意味がないので,自粛しましょう。別の方法はまだまだありますので,これをヒントに自分で考えましょう。

1 面接で「アルバイト経験が,業界経験が…」と口走るぐらいなら,実力を証明する書類を提出してみましょう

 学生時代のアルバイト先の上司に推薦文や考課書類を書いてもらい,履歴書に貼り付けて一緒に出します。内容がよければ,大学の成績などよりはるかに効くでしょう。「履歴書(応募書類)在中」ではなく,「推薦文付履歴書在中」と朱書きにして,せめて開封してもらえるようにアピールします。

 なお,アルバイトといえど軽視せず,たとえば自分の名前が営業成績上位者として貼り出されたら写真に撮っておきます。表彰状関係もとっておきましょう。この他に,時給額や勤続期間もアピールの材料になります。

2 会えば好印象を与えられる自信がある場合は書類を直接提出しに

 「郵送に限る」となっていても,よく見てもらいたい書類は,「近くに来たから」と口実を作って直接会社に提出しに行き,できれば人事に挨拶して帰る,ぐらいの自己アピールはしてもいいのではないでしょうか。小規模な会社なら,人事へ案内してもらえることがあります。断られたら受付に名刺だけ置いて,書類は郵便受けに入れて帰ってくればいいのです。

 くれぐれも逆効果にならないように,慎重に。

Q 大学入試問題の作成を予備校に外注するという話が出るのはなぜでしょうか?

A 単に試験問題を作るだけなら,市販の問題集にある問題をすこし改変すればよく,場合によっては高校生でもできるかもしれません。しかし,実際の入試問題作成に当たっては,次のような点に配慮する必要があると考えられます。

(1) 過去問と同様の形式,分量

(2) 過去問と適度に重なり,かつ新しい要素も盛り込む

(3) 近隣大学・併願パターン大学の最近の問題を避ける

(4) 過去の問題と点数データの研究により,受験生のレベルに合わせて難易度を調整

(5) 地方試験も含めた膨大な量の問題作成

(6) めまぐるしく変化する入試制度や教育課程に対応

 このような手間を考えると,大学教員が入試問題を作成するには相当の研究時間を割かなければならなくなります。そこで外注,となるのですが,現実には,大学がダイレクトに予備校に外注するというのは,なかなか起こりにくいと思います。その理由は,

(1) 外注した事実が万一露見すると,一時的にしろ大学の評判に大きなダメージを与える可能性がある

(2) 中堅以下の大学は既に偏差値や進学指導によって受験産業にかなり支配されている上に,入試問題まで握られると,大学が入学者に要求する学力水準を正確に主張しにくくなる

(3) 入試問題作成は自動化できないので,これまで問題を作ってきた先生が学内にまだいれば,引き続き依頼したほうが結局迅速かつ確実

 ということで,当面は大学入試センターまたは入試問題作成専門の公的機関が中心になり,情報提供・問題作成代行,あるいは仲介役として監視の上で一括外注,といった方向に行くのではないでしょうか。

 ところで,現在中学入試や高校入試では既に,中堅以下の私立学校については,大手学習塾に情報提供を受ける,学習塾が受験者の動向を支配する,学校が塾の顔色をうかがう,という状況が見られます。遅かれ早かれ大学受験でも同様の傾向が現れることになるのではないでしょうか。

 

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