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Q 小6女子です。成績的には御三家はやや難しいといったところです。出願を前にして,どこに出そうか迷っています。なにかいい判断基準はありませんか。

A これも非常によくあるご質問です。こういう場合,最近では安易に公立一貫校を選んでしまいがちです。が,やはり,従来の公立中学の,看板の掛け替えでに過ぎないことに注意すべきです。

 将来の希望があれば,それに沿った方向で決めればいいのですが,偏差値だけではなかなか割り切れないのが中学受験です。成績の高低に関わらず,実に多様な中学が存在します。入試出願期ですので,本音で言ってしまいます。ズバリ,附属の4年制大学(短大は不可)があるところ,できれば女子大のあるところから選びましょう。その根拠は次の通りです。

(1) 女子の場合には大学受験でほぼ確実に苦戦する。知能面で女子は発達が早く,従って小学校高学年で飽和に達し,高校の頃には伸び悩むケースが多い。たとえば女子校トップの桜蔭にして,その下層部30%は法政,日大,聖心,白百合,学習院といったレベルの大学にすら合格が難しいという現実がある。

(2) 社会が私立中高出身者に求めるのは,「学力」ではなく,「しつけ」である。実際,高校卒業時の学力(大学受験の偏差値)については,御三家を除いては公立高校にさえ見劣りするケースが少なくない。にも関わらず,私立中学はこれほどの人気がある。虚飾といわれようとも,その「付加価値」を最大限に生かすべきである。もちろん,実力が必要ないということではない。

(3) 共学の大学で就職の内定がとれないのは多くが女子である。共学の場合,たとえばある企業に同じ大学から甲乙つけがたい男子と女子の応募者が来たときには,

1 残業などいざというときの時間的融通性,

2 男子は共学でしか獲得できないという意識,

3 採用者数が特定の大学に偏らないようにしようとする意識,

4 腰掛けにされるリスクを避けたいという意識,

 などから,ついつい男子に決まりがちである。女子大のほうが就職は楽と言われる。もちろん女子大によるので注意。

(4) 「付属校」ではなく「進学校」を受けさせようとする親御さんの意図は,ほとんどが医学部受験を想定したものである。ということは,医学部志望でもないのに,女子がリスクの高い大学受験戦争に飛び込むことには,再考の余地があるのではないか。

(5) では医学部を志望するかもしれない人にとってはどうかというと,学校の勉強だけでは全く足りず,結局塾や予備校を利用しつつ自分で勉強することになるので,学習面では進学校か附属校かといった違いはそれほど影響しない。雰囲気の面でも,御三家でなければ,進学校といえど私大文系指向が強く,医学部受験者から見れば,どちらも勉強の刺激がないという点において大差ない。

 このような断定的な書き方をすると,なにかと物議をかもすものですが,決断に要する時間が限られているのであれば,こういう単純な決定もやむを得ないと思います。

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