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Q 小6で,地元の国立,私立の中学を受験しようとしています。易しい問題は解けるのですが,ちょっと難しい問題になると全然応用が利きません。どうしたらいいでしょうか。

A 「ちょっと難しいレベル」というのがどの程度なのかが問題なのですが,中学のなかには基本問題さえ解ければ受かるところもあります。そこで妥協するのが一法。しかし,国立大学附属や,ちょっと名のある中学ならば,「差を付けるための難問」が必ず出題されますので,その対策は必須となるでしょう。ところで,ご本人の解けない問題は難問だけではないのではありませんか?つまり,難易を問わず,「新しいことが頭に入らなくなっている」という状況なのではないかと推測するのですが。たとえば社会科の基本事項で,1ヶ月前ぐらいに覚えたことを,今でもちゃんと書けるでしょうか。

 「進歩が止まった」「壁にぶつかった」ように見える原因として最も多いのは,カリキュラムが速すぎることです。自分の吸収速度が追いついていかないと,子供は学習を自動的に拒否しはじめます。さらに詳しく見てみると,次のようになります。

(1) 小6になって中学入試問題を始めると,思いのほか難しいことに気付いてパニックになる。本人もご両親も,これまで順調に来た記憶があって,ついつい元のペースで続けてしまい,適応・消化が不良になってしまう。

(2) 塾などで出される宿題の量が多すぎて,いったん遅れが出ると取り返しがつかなくなっている。

 中学受験で深刻なのは(2)のケースです。塾は中学合格者の平均的なレベルに合わせて,宿題を出します。周囲の学習速度が速いのであり,決して塾が無茶をしているわけではありません。中には,「平均的な中学受験生」についていけない子を対象に,別途補習コースを設けている良心的な塾もあるようですから,そのようなところにご相談されるのもよいのではないでしょうか。ただ,そういう塾はきわめて少数だと思います(補習は労多くしてしかも合格実績に結びつかないからです)。

 そこで,とりあえずすぐにできる対策を書きます。

(1) とにかく反復練習

 どんな難問も答えを覚えてしまえば絶対に解けます。あせらずに,何日もかけて繰り返して解きましょう。飽きたら問題集から類似の問題を探して解く。解けなければ覚える。そして繰り返すのです。そんなことをやっていると入試に間に合わないと思うかもしれませんが,難問のパターンなんてそんなに多くはありません。少数の「差がつくポイント」がネックになっているだけなので,「急がば回れで」,冷静に対処すべきです。

(2) 各科目とも,参考書を1冊,問題集を2冊以内に絞る

 ついついあれこれ手を出してしまいがちですが,志望校に合ったレベルの中学入試問題集に絞って,「とにかくこれだけやろう」と決めるのが最善です。その問題集の問題が全部解けるようになったら,別のものに移ればいいのです。問題集を1冊マスターしておけば,次の本からは苦手なタイプの問題だけランダムに解くだけでも大丈夫です。重要パターンを網羅しないうちにランダム演習に入ってしまうのが,大抵の伸び悩みの原因です。

 くれぐれも落ち着いて対処してください。

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