Q 2016年都立入試から実技科目の内申点が2倍になるそうですが,学力軽視ということでしょうか。
A 変化の方向としては,そういうことになります。実際に2016年入試では,上位校が軒並み実質倍率を下げていますから,優秀層が少なからず重点校から流出したことがわかります。(進学指導重点校では,日比谷2.00→1.65 戸山1.95→1.67 西1.57→1.42 国立1.67→1.64 立川1.65→1.42,八王子東は前年と同じ1.39,青山のみ定員削減のため微増2.03→2.07)
一説によると,学力重視VS徳育重視の政治的対立の結果ともいわれていますが,そのへんの決定過程はよくわかりません。上記の観点別評価といい,進学重視・学力重視に大きく逆行しているように見えます。
が,もともと日本的教育そのものが,出る杭を作るところに目的がないのです。出る杭は,往々にして多くの人を打ち過ぎるからです。しかも出る杭は地面にしっかり埋まってないので倒れやすく,周囲を巻き込むので危険です。それに実技偏重=人物重視というのは,他府県でもよくあることです。今回はまだ入試が7割ですから,さらにこれから調査書半分くらいにはなっていくかもしれません。
都立に合格したということは,人物評価に通ったということを意味します。これはこれで,非常に価値あることです。この上大学一般入試に合格すれば,学力評価にも通ったことになり,いわば二つの称号を手にできるわけです。高校入試は大学入試とは別物ですし,またそれでいいのではないでしょうか。(2015.10.15)
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