Q 国語の読解問題が不安定で,最近ではほとんど点が取れません。どうしたらいいでしょうか。
A 国語の読解問題は一見つかみ所がないのでついつい対策がおろそかになり,気がついたときには言語処理能力に混乱が起きていることも少なくありません。対策にはすこし工夫が必要です。
国語は読解以前に,「文章の内容をしばらくの間記憶している」能力が重要になります。中学入試ではある程度の長さの文章が出題されますので,終わりのほうを読んでいるときに,前半を忘れてしまうと,論旨が見えなくなってしまいます。単純なことですが,ほとんどの場合,これこそが「国語の壁」といわれるものの根底的な原因です。
試験では,読む際に,
(1) 文章の内容を記憶に刻む
(2) 文章の各部分を関連づける
というプロセスが必要になります。特に(1)ができないと,いくら問題数を重ねても,点にはなりません。そこで,次のような訓練をしてみるといいでしょう。
(1) 1ページほどの文章を読ませる。
(2) 文章を隠し,そのページに書いてあった内容を,何でもいいから言わせてみる。
(3) その内容について,具体的にどのような表現が用いられていたか(比喩やせりふの内容)を聞いてみる。書かせてみてもよい。
(4) 次に,特定の登場人物や話題を指定して,どのように書かれていたか言わせてみる。
(5) 慣れてきて,内容がおおかた思い出せるようになったら,要約文を書かせてみる。
このようにして,まずは文章の内容を正確に記憶する訓練をします。ゲーム感覚で行うのがよいでしょう。
文中の表現を覚えられるようになったら,選択問題の解答を,選択肢を見ずに自分で書いてみるようにしてみましょう。その後,選択肢を見て,自分の解答に最も近いものを答えにするかまたは別の解答がよいか考えます。ともかくしばらくの間は,選択肢を見ずに解答を書く練習をするのが効果的です。
国語の力は,解く人の語彙力や表現力に大きく依存します。経験的に見て,作文力と読解力は,ほぼ完全に比例します。そこで,自分で解答を作る練習をして,「日本語を使う」練習をするわけです。すると,いろいろな語句に習熟することができますので,試験のときもスムーズに解答が頭に浮かんでくるようになります。
ちょっと手間がかかりますが,このような形で訓練する以外に,国語の壁を突破する方法はないのではないかと思います。根気よく練習してみましょう。
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