東京凰籃学院

'99東大入試的中 物理第1問

'99東大入試問題

凰籃学院教材から

 水平な机の上に置かれた台の内側に,半径Rの半円形のレールがとりつけられている(図11)。机上の一点Oを原点として水平のx軸をとり,レールの中心Cx座標が原点に一致するように台を置いた。まず,台を机に固定したまま,図11のように小球をレールの最下点Pから+x方向にLだけ離れたレール上の点Qに一旦静止させる。その後小球はレール上を摩擦を受けることなく運動するものとして,以下の設問に答えよ。ただし小球の質量をm1,レールを含んだ台の質量をm2,重力加速度の大きさをgとする。また,LRに比べて十分小さいものとする。必要であればθ[rad]が十分小さいときの近似公式cosθ≒1sinθ≒θ,を用いても良い。

T 台を机に固定したままで,小球を静かに離したところ単振動を始めた。小球のx座標をx1x軸方向の加速度をa1とする。

() 小球のx軸方向の運動方程式を求めよ。

() この単振動の周期を求めよ。

U 図11の状態に戻し,今度は,台が机に対して摩擦を受けることなく動けるようにした。その上で小球を点Qから静かに放したところ,小球はやはり単振動を始めた。図12のように小球と点Px座標をそれぞれx1x2,小球と台のx軸方向の加速度をそれぞれa1a2とする。

() 小球と台に働く力の関係から,a1a2の間に成り立つ関係式を求めよ。

() 小球と台を合わせた系に対してはx軸方向には外からの力は働かないので,系の重心のx座標は変化しない。このことから,x1x2の間に成り立つ関係式を求めよ。

 下図のように,半径lの半円状の円筒形の窪みがある質量Mの台を水平面上に置き,これに質量mの質点を載せて運動させる。摩擦はすべて無視し,台と質点はともに円筒の軸に垂直な鉛直面内でのみ運動するとして,以下の問に答えよ。重力加速度をgとする。

 はじめ,台と質点はともに静止し,質点は窪みの最下点に留まっている。この状態で台を支え,質点をわずかに右方にずらしてから台と質点を同時に解放したところ,両者は微小振動を始めた。

T 台と質点の動く向きは常に反対であり,かつ,両者の振動の周期は等しい。このことを,2行以内で簡潔に証明せよ。

U 台と質点の共通の周期を求めよ。

V 上の操作で,台を固定し,質点のみ解放したときの質点の微小振動の周期をUの結果から導け。

 次に,質点を窪みの最下点に静止させ,台を静かに右方に動かしはじめ,ゆっくり加速させた。そして加速度αに達したら,この加速度を維持する。すると,質点は窪みの中腹で,台に対して微小振動を行った。このとき,

W 振動の中心は,窪みの最下点と比べていかほどの高さにあるか。

X 質点の振動の周期を求めよ。

(創作テスト講座3学期)

コメント

 相対運動の運動方程式。完全的中だが,入試問題のほうは誘導がついて,かなり解きやすくなっている。

 


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