◆コメント◆
x方向に行きすぎて戻るというのは,実は受験の世界ではぎりぎりOKなネタなのです。
非常に簡単な式なので,増減を容易に想像できて,
「tで一直線に積分しても,右に戻るときは自動的に面積引いてくれるから構わないんだなあ」
とかなんとか感じ取って積分するのです。
つまりそう感じ取れるようなところまで勉強しておけという意図ですね。
ただし本問ではyが負のところまで要求してますので,そこがちょっとフライング気味です。
こんなふうに東大は,範囲ぎりぎりのきわどい出題もしますが,Cardioideなんかをいじってみた
人には,どうということのない問題でしょう。
今年の東大理系数学はやや易化し,一部に極端な高得点が予想されるものの,
抑制が効いていて,学力がきれいに判定される良問だったのではないでしょうか。
また,融合問題への指向性が顕著で,興味を前面に出したい出題者の意欲が伝わってきます。
ただの定型題のコピーでないところが東大入試の面白さで,この傾向をつかむことから
東大へのアプローチが始まるといっても過言ではないでしょう。
受験生の皆さん,おつかれさまでした。