Q 正常なPrP(C)がPrP(SC)によって同じくスクレイピー型に変わるのはなぜですか?
A 予想されたご質問です。2000年東大入試問題の生物第3問に関するものですね。
PrP(SC)はPrP(C)と同様のアミノ酸配列をもった蛋白質でありながら,蛋白鎖の一部がαヘリックス型からβシート型へ変化した形をしており,アミロース繊維を多量に含みます。そのため蛋白分解酵素への抵抗性を示し,非溶性のアミロース斑を生成します。はじめプルシナーは,PrP(SC)が立体的に鋳型となってPrP(C)のコンフォメーション変化を引き起こし,PrP(SC)に変えるという趣旨の仮説を唱えています。
この他に,外来プリオン蛋白が核酸を介し,細胞が新たにPrP(SC)を生産するようにしてしまうという説も提出されていますが,セントラルドクマに反すること,およびトランスジェニックマウスを用いた実験などから,最近では,直接的な相互作用だろうと考えられています。
なお,最近プルシナーは,次のように第三の蛋白質との複合体を介して構造変化が誘起されるという説も提出しています。
PrP(C) + ProteinX → PrP(C)*-ProteinX
PrP(C)*-ProteinX + PrP(SC) → 2PrP(SC) + ProteinX
このように直接的な相互作用をすると考えると,加速度的にPrP(SC)が生産されることも説明できます。ちなみに,β構造への転換は,蜘蛛の糸が作られるときにも見られると言われます。
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