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Q 附属高校の1年生です。ほとんどが系列大学に進学する中で東大を目指すには,どの程度の成績が目安になるのでしょうか?

A このタイプのご質問は,早大附属,慶應附属の方を中心に頂いておりますので,そのあたりの高校を念頭に置いて記します。

 実は東大受験に関しては,高3以降に著しい逆転を見ますので,高1段階で合否を占うのは不可能に近い状態です。しかし,何も目安がないと,「東大を目指してもいいのかどうか」すらわかりません。そこで,いろいろなケースから,「この程度の成績をとっていれば,努力の延長上に東大現役合格が見える」と思われるラインを強いて語ってみます。ただし,以下のような成績上位者でも,高3で東大に対しC判定以下になってしまう人が多くいますので,注意が必要です。

1 模試の成績では

 中3であれば,駿台の高校受験向けの模試を受けて連続上位2桁になる程度,つまり開成や筑駒に対して合格安全圏にいること,高1であれば,駿台の高2東大入試模試で名前が出る程度の実力が,ひとつの目安になるでしょう。

2 校内成績では

 高1の段階で,早大系ではコンスタントに上位一桁,慶應附属各校では上位30位ぐらいがそれぞれ目安のようです。正確な順位はわからなくても,クラスの誰もが「彼はトップクラスだ」と認めるようなら有望です。ちなみに附属校ではありませんが,開成では上位60位ぐらいです。それ以下はかなり流動的です。また,公立高校では残念ながら合格の目安と言えるようなラインはありません。

3 学習進度では

 英語では高1の3学期の段階で英文法を終了しており,かつ

(1)単語・熟語に関してほとんど不安がない

(2)複雑な構文でも,少なくとも文法的には正確な直訳調の訳が書ける

(3)中学英語の構文を英作文のネタとして使うことができる

 あたりが目安になります。数学では,高1のうちに数2・数Bまで教科書レベルの学習が終了し,かつ旺文社などのごく標準的な問題集にあるものがほとんどすべて,数分以内に解けることです。なお,附属校の方は,このレベルはクリアーしているケースがわりと多いようです。

4 意識の上では

 中3の夏頃までに東大を意識し,自分で先取り学習を始めるというのが目安になるでしょう。ただし,単にひととおり参考書を読んだ程度ではだめです。反復して復習し,問題集をしっかりこなしている必要があります。高3になってから急に熱病にかかったように意識し始める人がいますが,ほとんど手遅れです。高1から東大に行きたくなったというのが境界ラインでしょうか。

5(番外編1)学習環境では

 東大受験生には小学校低学年のころから,親御さんに一日一回は「東大を目指せ」と言われ,ほとんど洗脳に近い形で東大受験を刷り込まれている人がけっこういます。彼らは一見伸び悩んでいるように見えても,概して入試直前にものすごい力を発揮して逆転合格します。また,医学部や京大などに心が動くことが決してないのも特徴です。ただし,そういう人はそもそも附属校には行かないでしょう。ちなみに,こういう人たちとも競争しなければならないところに,東大受験の難しさがあります。

6(番外編2)遺伝環境?

 因果関係は不明ですが,東大一族の子弟はやはり東大に受かりやすいという印象があります。おそらく東大受験にそれほど違和感がないのが理由でしょう。なお,当学院では年にもよりますが,会員のお父上の過半数が東大出身だったりもします。

 以上の「目安」を読んでみて,なんとなくいけそうかな,と思ったら目指してみてはいかがでしょうか。ただし繰り返しますが,これらはあくまで大まかな目安です。進学校の東大受験生には,高1の3学期ぐらいには既に英語を含む複数科目で東大合格レベルに達する人がけっこう見受けられますが,そういう人でさえ,2年後にはだいたい半数が不合格になります。入試直前期の詰めがいかに大事かわかります。

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