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Q バイオ関連の企業に就職したいのですが,この分野の将来性はどうでしょうか。また,どの学科に進学するのがよいでしょうか?

A 興味があるなら,将来性など考えずに突進すれば,必ず何らかの成果は得られるでしょう。と,それだけでは回答になっていないと言われてしまいそうなので,いちおう書いてみます。

 企業においては,近年のバイオ関連研究所・工場の閉鎖は目を覆うばかりのものがあります。切り捨てられたバイオ部門からは大量に人材が流出して余っていると言われます。この分野では,研究の労力の大部分は地道な分析操作と人海戦術的な試行です。なかなか新商品に結びつかないので,不況になると企業はいきおい,既製品のマイナーチェンジに走ります。

 既製品とは,医薬品以外には,石鹸,洗剤,漂白剤,塗料,調味料,油脂,香料,飼料,ビールなどです。これからバイオ関連に進む人は,遺伝子よりもこれらの生活色豊かな商品を対象にすることになると思います。バイオらしい分野としては,農畜産物の品種改良がありますが,実際にバイオ系学科の卒業生の大部分は国内または外資系の大手メーカーに就職するでしょうから,やはり量販系の生活用品を扱うケースが圧倒的に多いでしょう。

 ところで特に脚光を浴びているのが,高付加価値製品たる医薬品です。この分野に参入しようとする企業は多く,煙草メーカーや菓子製造業者などが名のりを上げています。

 医薬品の研究では,まず何より有機合成化学の知識が必要になります。そして生化学や分析化学,薬剤の知識が続きます。ゆえに,いわゆる遺伝子操作をともなった「バイオテクノロジー」よりも,化学の基礎をしっかり学ぶのがいいでしょう。もともと化学は基礎学問でありながら,応用にダイレクトに結びつく分野です。そこで,流行のバイオ系学科にこだわらずに,素朴に昔ながらの化学・薬学系学科に進んでも全く差し支えありません。

 なお,製薬会社では,研究が高度なこともあり,これを主導するのは東大などの大学院出身者が多くなります。通常の大学のバイオ系・薬学系出身者は,むしろ営業に回される傾向があると聞いています。

 このほかに将来性のありそうな分野としては,生態関連素材があります。人工臓器や医療器具など,生体適合性素材の開発です。ここでは有機化学の他に,特に高分子化学が重要になります。

 企業への就職ということでしたので,基礎研究については別の機会に譲りたいと思います。

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