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Q 将来自分も就職すると思うのですが,どうして企業は学歴(大学名)にこだわるのでしょうか。掲示板とか見ていると,大学名でほとんどすべて決まってしまうようなことが書いてあったりしますが,実際はどうなのでしょうか?

A 学閥というのは確かにあります。ただ,これは政治的圧力団体が政党を作ったり,あるいは親戚一同で閉鎖的に企業を経営したりするのと同様,避けられない現象です。これは一見,「個人的能力で勝負したい」と考える人にとって,足枷になるように見えます。

 ところが,同じ学閥の内部では,やはり常に個人間の競争が展開されています。個人の能力が無効になるわけではありません。そこで,「学閥や一定の閉鎖集団は,個人の能力を発揮する空間として利用すべきもの」と考えてみてはいかがでしょうか。

 さて,ご質問の内容には,もう一つの論点があります。大学名の見劣りを,その後の努力で挽回できるのかどうかという点です。これを考えるには,企業の採用の動機を考える必要があります。

 企業が大学名を重視しているように見えるとき,実はこれは宣伝効果を狙っているのです。現在の日本では,一定規模以上の大企業であれば,経営状態だけでなく,有名大学から何人採用したかが「一流度」のバロメーターになります。大学生に配られる会社案内では「採用実績大学」の欄がありますが,これが大学生の企業評価に少なからぬ影響を与えます。従って,企業が有名大学卒を採用するとき,必ずしも能力を買っているというわけではありません。彼らに払う給料は広告費に近い性質のものでしょう。そのような宣伝効果においては,大学名の見劣りを挽回することは不可能です。

 しかし,もう一つの尺度,つまり実務の視点から見れば,当然実力での挽回は可能になります。大企業とて宣伝効果だけで生きていくわけにはいきません。有名大学ばかりの「一流企業」が実は烏合の衆で大型倒産する,なんてこともありうるわけです。実力ある人材を採用せざるをえない以上,大学入学後に蓄えた実力は十分機能します。

 大学名と実力の関係は,宣伝部門と製造部門の関係にたとえられます。全く性質の異なるもので,どちらも企業にとっては重要な戦力になるということです。

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