Q 東大の地理の傾向を教えてください
A よく,東大地理は常識問題だといわれます。暗記の負担が軽いので,論述力の勝負になります。この論述については,受験生が自分でできる対策はほとんどないでしょう。
基本事項や常識事項をどんな角度からどのような形式で訊かれても答えられるようになるには,それ相応の訓練が必要です。英文解釈と同様,地理に自信がある人でさえ,「構造平野」「貿易風」といったあまりにも基本的な語を使いこなせないことが多いのです。
たとえば,ちょっとここで,次の問題を考えてみてください。一見簡単ですが,多くの東大受験生がほとんど得点できない問題です。
問 中央アジアの隊商路が古くから大山脈に沿って発達した理由を地理的に考察せよ。
何か思い浮かびましたか? どのくらい書けそうですか? 解答は後で記します。
東大の論述問題の傾向らしきものをあげると,次のようになります。
1 理解レベルでは,出題者が求めている知的な興味の焦点を把握する努力がなによりも必要になります。
2 表現レベルでは,キレがあり,読んでいて快感を感じるような,明快で的をついた文章を書く練習が必要になります。
3 知識レベルでは,必要な事項が漏れなく,密度濃く含まれていなければなりません。
それでは,上の問の解答です。設問の意図はいうまでもなく,乾燥地の地理ですが,他にもポイントがあります。「隊商」とあります。「利潤」に注目しましょう。高価なものを運ぶ以上,安全性の確保も必要です。
答 山脈からの融雪水が得られる扇端湧水帯がオアシスとなり,そこでの農牧業は人間や馬の食糧確保に役立つ。オアシスには都市が発達し,遊牧騎馬民族による略奪を防いで安全を確保するための人材や設備を常駐させることができるほか,市場が形成され利潤を生んだ。
いうまでもなくピンクの語は暗記事項です。そしてオレンジの語は自分で工夫すべきものです。入試では,ほとんど何もないところから自分で重要語句を思いだし,それを駆使して新しい説明文を書かなければなりません。そのためには,その目的に沿った効率的な訓練が必要です。
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