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Q 東大に行くメリットは?

A 特にありません(笑)。以前の記事と矛盾するようですが。将来の志望は大学入学後も大きく変わりうるものです。前には「出世するなら東大は有利」と書きましたが,それは出世したい人の場合に「のみ」メリットになるということです。東大に行ってしまうとサラリーマンになること自体に興味を失うかもしれません。

 これに対し早慶に行けば,周囲の影響もあり,ビジネスマンがかっこよく感じるかもしれません。また,研究者になるとしても,東大には確かに設備がありますが,他大学で個性的な教官と出会うことのほうがメリットになるかもしれません。つまり「有利・不利」(客観)と「メリット」(主観)は違う概念だということです。

 漠然とした,あるいは概括的な主観の次元で多くを期待すれば,幻滅もまた大きくなります。将来にわたって東大卒が有利だという保証もありません。メリットの種類と大きさは,個人の目的と,大学での努力次第でしょう。実社会では成績以外にコネなどの要因が大きく効いてきます。また司法試験についても,予備校が発達し,東大の授業を受ける価値は激減しているといわれます。

 東大出身者がわりと社会で活躍するのは,基本的に真面目で,「日本語による自己表現力」や「状況を理解する力」に優れるためだといわれます。東大の入試問題が出題の意図を汲む力と論述力を徹底的に要求することからも,これはうなずけます。とりあえずそういう目で見てもらえるのは有利かもしれません。

 東大についての個人的な感想としては,学生がお互いにわりと気を使っているので人間関係がスムーズで楽だというのはあります。また,研究については,設備が充実している上に,学生を放ったらかすので,自由度が高い環境だと思います。

 「力だめしに受ける」「とりあえず無難だから東大に行く」ということでもいいのではないでしょうか。

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