Q 大学入試問題の作成を予備校に外注するという話が出るのはなぜでしょうか?
A 単に試験問題を作るだけなら,市販の問題集にある問題をすこし改変すればよく,場合によっては高校生でもできるかもしれません。しかし,実際の入試問題作成に当たっては,次のような点に配慮する必要があると考えられます。
(1) 過去問と同様の形式,分量
(2) 過去問と適度に重なり,かつ新しい要素も盛り込む
(3) 近隣大学・併願パターン大学の最近の問題を避ける
(4) 過去の問題と点数データの研究により,受験生のレベルに合わせて難易度を調整
(5) 地方試験も含めた膨大な量の問題作成
(6) めまぐるしく変化する入試制度や教育課程に対応
このような手間を考えると,大学教員が入試問題を作成するには相当の研究時間を割かなければならなくなります。そこで外注,となるのですが,現実には,大学がダイレクトに予備校に外注するというのは,なかなか起こりにくいと思います。その理由は,
(1) 外注した事実が万一露見すると,一時的にしろ大学の評判に大きなダメージを与える可能性がある
(2) 中堅以下の大学は既に偏差値や進学指導によって受験産業にかなり支配されている上に,入試問題まで握られると,大学が入学者に要求する学力水準を正確に主張しにくくなる
(3) 入試問題作成は自動化できないので,これまで問題を作ってきた先生が学内にまだいれば,引き続き依頼したほうが結局迅速かつ確実
ということで,当面は大学入試センターまたは入試問題作成専門の公的機関が中心になり,情報提供・問題作成代行,あるいは仲介役として監視の上で一括外注,といった方向に行くのではないでしょうか。
ところで,現在中学入試や高校入試では既に,中堅以下の私立学校については,大手学習塾に情報提供を受ける,学習塾が受験者の動向を支配する,学校が塾の顔色をうかがう,という状況が見られます。遅かれ早かれ大学受験でも同様の傾向が現れることになるのではないでしょうか。
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